店日記

2月28日

2012年02月28日

新規入力30点です。
文学研究、随筆、「幻想文学」ほかです。

山田芳裕『へうげもの』の13巻を読んでいる。
たぶんここで説明するまでもないのだけど、
テレビでもやっていたのだと思う(いまもやっているのかな)。

織田信長、豊臣秀吉、徳川家康とつづく戦国期に活躍した古田織部を主人公にしたマンガだ。
武将でありながら、数奇(すき)の世界にみせられてしまった古田織部。
武がものをいった世界を、骨董、茶、建築などの美の観点から捉えなおす世界観がおもしろい。
13巻では、秀吉亡き後の、石田三成と徳川家康の対立が描かれる。
信長時代、秀吉時代と、「武」と「数奇」両道をはかりにかけながら生き抜いてきた織部はここに来て、隠居。
その生き方にも余裕が生まれてきている。
たとえばこんなセリフ。
「その場その場で己が都合の良い方につき……
領地ならぬ欲しいものを頂くのだ
これが新しき乙将の生き方ぞ」
「忘れるでないぞ上田殿
たとえ敵味方に分かれようとな」
表情は狡猾ではなく、余裕のある笑みで描かれている。
ここでいう「乙」とは、
あれどこに書いてあったかな探したのだけどみつからなくなってしまったが、
表立って武ばったことする「甲」の武将に対する「乙」、
乙なものの「乙」でもある。
そして古田織部の存在は、武ばったものに対する、笑い、
「ひょうげ者」として描かれるのだ(古田一人がこのマンガのスターではなく、信長、秀吉、利休などがそれぞれの美意識を持った大きな存在だ)。
実際はどんなふうだったんだろう。
歴史に詳しくないので、どこまでがフィクションでどこまでが史実なのかわからない。


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