店日記

11月14日

2018年11月14日

新規入力17点です。
詩集ほか。

今日は県民の日。

ルイス・ブニュエル「皆殺しの天使」は、オペラ観劇の帰りに、その中の一人の家に招かれた金持ちの客たちが、なぜか部屋から出られなくなり、そこで過ごすうちに極限状態となっていき普段の体裁をなくしていくといった設定の映画だ。
出られなくなるというのは、物理的に閉じ込められるわけではない。
なぜかはわからないがすぐそこに見えている外に「心理的に」なのか「超自然的に」なのか出ることができないという感じで描かれる。
同時に外の人も同じように入ってこれなくなっている。
この映画では最初のほうの金持ちがこの家に入ってくる場面では、ほとんど同じ場面が二度繰り返されるということが続き、そうした、時間がおかしくなっているということが大本になっているのかと思わせるが、その描写は最初のところだけで、見事と思わせるのはそのあとなのだ。普通だったら自然に人が帰っていくような時間になっても誰も帰らないということを、誰かが帰りかけると別の人がそれにからんで帰るきっかけを失うという場面が入り乱れるというかたちで映している。そのようにして誰も帰らないということになって、そのあとになると、彼ら自身が誰も帰らないというのはおかしいと気づきはじめ、部屋の外の前に立っても出ることができないという場面が描かれるので、そうなんだと思うしかない。そこにいたるまでがいいのだ。
「皆殺しの天使」に出ている役者は「ビリディアナ」でも主人公を演じていたと思い、名前を調べたがおぼえることができない。


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